以下のチェック項目により、ニコチン依存度をチェックし、タイプに合った禁煙方法をご覧ください。
A.「ニコチン依存タイプ」の禁煙方法
たばこをやめたくても、切れたときのあの辛さが・・・。そんなタイプのあなたには、たばこの代わりに禁煙補助剤(パッチやガムなど)を使う方法がおすすめです。これは、たばこ以外のものからニコチンを摂取して、だんだんニコチンの量を減らしていく方法。ニコチン切れでイライラすることもなく、普通に生活や仕事が続けられます。成功率も高いので、以前禁煙に失敗した人も、気軽にトライしてみましょう。
ニコチンパッチ
ニコチンを含んだ円形のパッチ(シール)を皮膚に貼付し、皮膚の毛細血管からニコチンを体内に吸収させます。1日1回皮膚に貼るだけで、1日中ニコチンの吸収量が一定に保たれます。大中小の3種類のサイズがあり、貼るサイズを小さくしながら徐々にニコチンの分量を減らします。医師に処方してもらうことにより入手できます。
ニコチンガム
一般の薬局薬店でも市販されています。ガムといっても、普通のガムとは違い、独特の噛み方をします。噛むとニコチンが口の粘膜から血中に吸収される仕組みです。たばこに比べてニコチンの吸収性は低いものの、比較的速く吸収されるので、吸いたくなったときの欲求をやわらげてくれます。1日の喫煙本数やニコチン依存度に応じて使用個数を決めます。
パッチとガム、どちらを使う?
たばこをやめると口寂しくなるタイプや肌が弱い人はガム向き。職場でガムを噛みにくい場合や、歯に問題のある人などはパッチ向き。自分にとって使いやすい方法を選ぶことが禁煙成功のカギです。
内服薬
最近では、禁煙のための内服薬もあります。薬を飲むと、煙草をおいしく感じなくなり、自然と煙草の本数が減り、苦痛も少ないと言われています。まずは、お近くの禁煙外来に相談してみましょう。
B.「気分転換タイプ」の禁煙方法
つい習慣でたばこに手が・・・というあなた。生活パターンや気分転換の方法を少し変えてみませんか。
生活パターンを変えよう
- 朝は・・・
洗顔、歯磨き、朝食など、行動の順序を変えてみましょう。 - 食後は・・・
すぐに席を立ちましょう。歯を磨いてスッキリと。 - 休憩時間は・・・
深呼吸をする、顔を洗う、冷たい水を飲むなど工夫を。 - 休日は・・・
読書やお風呂、部屋の掃除などで気分転換を。
吸いたくなったらやってみよう
- 動いてみる
体操や散歩で気分をリフレッシュ!ただ歩く、トイレに行くなど、場所を変えるだけでもOK。背伸びだけでも効果アリ。 - 手のひらへの痛み刺激
ボールペンなど尖ったもので手のひらを押してみましょう。
吸わないための工夫
- 酒の席には出ない
どうしても出席しなければならない場合は、喫煙者の隣の席を避ける、ノンアルコールの飲み物を用意してお酒と交互に飲むなどの工夫を。 - 帰宅後の自宅での行動をシミュレーション
家に帰ってから何をするかイメージしておきましょう。自分がどうなりたいのかをイメージし、メモやノートに書き込むのも効果的。やることが決まっていれば、たばこに手が伸びないはず。 - 喫煙者に近づかない、喫煙したくなる場所へ行かない
喫煙者と一緒でなければ、もらいたばこはせずに済みます。いつもの喫煙場所を避けましょう。
C.「口寂しくてつい何となくタイプ」の禁煙方法
たばこでなくても何かないと口寂しい、というあなた。たばこの代わりになるものをいつも用意しておきましょう。次の方法が効果的です。
うんと冷たい水、あるいは熱いお茶を飲む
眠気が覚める程度の温度刺激が効果的。
※ただし、コーヒーは、飲むとたばこを吸いたくなる人がいるので避けましょう。逆にたばこに合わない牛乳やトマトジュースはベター。
歯ブラシをくわえたり、噛んだりする
食後の一服をしないために、食後すぐに歯を磨くのもいいでしょう。
梅昆布や細切りの昆布を噛む
料理用の昆布を細切りにしただけでもOK。
清涼菓子、糖分の少ないガムや飴を食べる
ミント系がベター。糖分が多い菓子は虫歯や肥満の原因になるので注意。
禁煙用パイプを使う
周囲にアピールするためにも効果的です。
マスクをする
口をふさいでしまうので、たばこが吸えなくなります。
D.「ストレス発散タイプ」の禁煙方法
たばこがなければストレス解消できない!と思っていませんか。実はたばこの有害物質は心身にストレスやダメージを与えるので、逆にストレスの上塗りになってしまいます。健康的なストレス解消を心がけましょう。
まずは深呼吸してみよう
たばこが吸いたくなったときは、呼吸が浅くなっています。まずは深呼吸してリラクゼーション!息と一緒にストレスを吐き出しましょう。
【腹式呼吸法】
- 肩や首の力を抜いて、リラックスしましょう。そしておへその下に軽く両手を添えます。下腹部から絞り出すような気持ちでゆっくり息を吐いてください。
- 息を十分に吐ききったら、そのまま2~3秒保ちます。そして下腹部を膨らませるように意識しながら、鼻からゆっくり大きく吸い込みましょう。吸う息よりも吐く息を長くするのがコツです。
ポジティブにストレスを吹き飛ばす!
- スポーツでイライラを解消
ストレスに対する抵抗力がつき、寝つきもよくなります。 - 仕事以外の趣味に没頭しよう
心配なこと、嫌なことを忘れる時間をもちましょう。
自分なりのリラックスタイムを
散歩で自然を満喫したり、アロマセラピーでくつろいだり、音楽を聴いたりしてみましょう。リラックスしてストレスを軽減できます。
野菜を多く摂ろう
体調がよくないと、それがストレスになります。禁煙中は特に野菜を多く摂るのがおすすめ。イライラを抑え、便通を整えます。
『Stop Smoking!~やめた人からキレイになれる~』
(社団法人日本看護協会発行)より転載